1–3 YEARS · シーンと言説の潮流AI生成音楽著作権の再発明

曲名の向こうにある交渉の入口

AI学習データに作家の名、豪州で問われる許諾の道筋

AIの学習に何が使われたのか。その不透明さを、作家名と曲名から問い直す動きがある。豪州とニュージーランドの作家を代表するAPRA AMCOSは、学習用データセットの調査を著作権の例外新設に反対する根拠に据えた。2026年6月時点で見えたのは、抽象的な制度論を、具体的な作品と許諾の話へ引き戻す試みだ。

クリーム色の背景に、青い四つのデータの束と赤いレコードを配置し、細い線でつないだ抽象イラスト。

「何を使ったか」が論争の入口になる

生成AI生成AIせいせいエーアイGenerative AI学習したデータのパターンをもとに、音声や画像、文章などを生成する技術の総称。音楽では作曲、歌声、演奏など、使われる工程によって役割が異なる。用語集で詳しくをめぐる著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しく論争に、作家名と曲名という具体的な手がかりが持ち込まれた。2026年6月19日のCMUによると、豪州の音楽著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しく団体APRA AMCOSは、米誌The Atlanticの調査を根拠に、豪州とニュージーランドの楽曲が無許諾でAI学習に利用されたと訴えた。

調査が扱ったのは、AI開発コミュニティーで共有されている4つの大規模データセット。APRA AMCOSの説明では数百万曲が含まれ、The Atlanticの検索ツールでアーティストごとの収録曲を確認できるという。ミッドナイト・オイルミッドナイト・オイル Midnight OilSpotify で探すApple Music、シーアシーア SiaSpotify で探すApple Music、ロードロード LordeSpotify で探すApple Musicらの名が挙げられている。

兆しは、無断利用への批判だけではない。「どの作品が含まれるか」を示す調査が、著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しく制度をめぐる働きかけの材料になった点にある。ただし、データセットへの収録と、特定企業のモデルが実際にその曲を学習したことは、分けて読む必要がある。CMUの記事だけで、曲ごとの学習経路や法的責任まで確定するわけではない。

投資と引き換えの例外、4契約という反論

この調査が持ち出された背景には、豪州で強まるテクノテクノTechnoデトロイトで生まれ、ベルリンなどへ広がった電子ダンス音楽。ドイツのクラブ文化を語る中心的な存在だが、その受容の歴史と発祥地の歴史は区別して捉えられる。用語集で詳しくロジー業界のロビー活動ロビー活動Lobbying企業や団体が、政策や行政判断に自らの意見を反映させようと働きかける活動。活動の存在だけで違法とはいえず、手段や手続きの検証とは区別が必要。用語集で詳しくがある。CMUによれば、豪州政府は前年、AI企業のための新たな著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しくの例外を設けないとしていた。それでも業界側は、権利者の許可なしに既存作品を学習に使える制度を求めている。

APRA AMCOSの最高経営責任者ディーン・オームストンは、AI企業が豪州とニュージーランドに投資を約束する一方で、著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しく上の適用除外を求めていると批判した。また、豪州政府の方針表明後も、大手テクノテクノTechnoデトロイトで生まれ、ベルリンなどへ広がった電子ダンス音楽。ドイツのクラブ文化を語る中心的な存在だが、その受容の歴史と発祥地の歴史は区別して捉えられる。用語集で詳しくロジー企業はライセンスライセンスLicensing一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。用語集で詳しく交渉の席に一度も着いていない、と述べている。これは同団体側の説明である。

争点の一つが、許諾を得ることの実務的な難しさだ。豪州のTech Council Of Australia会長スコット・ファーカーは、国内で学習するには世界中の録音アーティスト全員との契約が必要になり、音楽AIの構築は不可能だと主張した。これに録音産業団体ARIAは、世界の録音物の約80%は、大手レコード会社各社とMerlinを相手にした計4件の契約で許諾を得られる、と反論した。

ただし、この80%はARIAが示した録音物についての数字だ。原盤原盤げんばんMaster recording音楽の録音そのものや、その元となる録音物を指す言葉。権利を論じる際は、録音に関する権利と、テープなど現物の所有を区別する必要がある。用語集で詳しくの利用許諾と、楽曲そのものの権利処理は同じではない。4件で学習に必要なすべての権利が片づく、と読むことはできない。それでも論争の焦点は、「許諾は不可能」という主張から、誰と何を契約するのかという具体的な論点へ近づいている。

可視化が交渉を支える可能性

2026年6月時点から先の1〜3年を見るうえで、注目点はデータの可視化とライセンスライセンスLicensing一定の条件のもとで利用を認めること。声や姿の複製では、誰が何に同意したのかが重要で、楽曲や録音を使う許可とは区別して考えられる。用語集で詳しく交渉が結びつくかどうかだ。CMUは、多くのAI企業が学習素材を明らかにせず、音楽業界を含む創作・著作権著作権ちょさくけんCopyright楽曲や歌詞などの創作的な表現を保護する権利。出典は楽曲・歌詞・録音の保護と声のブランドを守る試みを区別し、商標を追加の手段として位置づけている。用語集で詳しく分野が、法律による透明性の義務づけを求めていると伝える。検索ツールは、その不透明さの一部を外から照らす役割を持ち得る。

作品を特定できれば、作家や団体は、自分たちの何が使われたと主張しているのかを具体的に示せる。ただし、一覧ができることと、支払いが発生することは別である。収録の確認、実際の学習利用の確認、権利者との交渉。それぞれの段階をどうつなぐかが問われている。

APRA AMCOSは交渉の用意があると表明しているが、記事には新たな契約の成立は記されていない。今後広がり得るのは、完成した解決策というより、制度変更を求める側にも、作品の出所と許諾可能性について具体的な説明を求める議論である。

日本から見ると、数字の範囲が見えてくる

日本から読む際、豪州での発言をそのまま国内の法制度や契約実務に当てはめることはできない。この出典は日本の状況を比較していない。ここで確認できるのは、豪州では新たな例外を設けないという政府方針を背景に、投資誘致と作品の許諾をめぐる対立が表面化していることだ。

一方、国境を越えて読み取れるのは、権利の種類と数字の範囲を分ける必要性である。録音物の約80%という説明は、作詞・作曲の権利まで含む数字ではない。AI学習を一括りに語る言葉の下に、個別の作品、異なる権利、契約の相手がいる。調査によって見え始めたのは、その交渉の入口である。

この記事は、2026年10月に、当時(2026年6月21日(日))の出典をもとに書いた振り返りです。数字や状況はその後変わっている可能性があります。

EVIDENCE出典

  1. 二次CMU(Complete Music Update)2026-06-19

    APRA AMCOS says Atlantic investigation proves AI companies have plundered the “life’s work of Australian and New Zealand songwriters”completemusicupdate.com ↗

    “You could license around 80% of the world’s sound recordings to train AI globally - including in Australia - with four deals: one with each major record label and one with Merlin”

    豪州を含む世界でAIを学習させるため、世界の録音物の約80%について、大手レコード会社各社とMerlinを相手にした4件の契約で許諾を得ることができる。

    確認日 2026-10-18

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