故郷や祖先の土地を離れて暮らす人々、その共同体、土地を越えて保たれる関係を捉える概念である。離散の背景には強制的な移動から移住まで異なる事情があり、すべてを同じ経験としてまとめる言葉ではない。
美術批評では、ひとつの国家や地域だけでは説明できない記憶や帰属を考える際に使われる。離れて暮らす場所から出自の土地を見つめることで、異なる時代や地域の歴史が同じ作品のなかに現れる場合もある。
日本語で読む際には、単に海外に住むことや国際的に活動することの言い換えとしない点が重要だ。本人の自己認識や作品の文脈によって意味は異なる。本記事では、アフリカ大陸の歴史を複数の時代と移動の経験から想像する視点を説明するために用いている。